「岩本さんは、病室へ戻って!」





看護士さんに止められたところは手術室の前だった。





それ以上ついていくこともできずにわたしはその場に立ち尽くした。





吉原さんがナースステーションの方から走ってくる。





「吉原さん!」




「汐里ちゃん」




「桃佳が、桃佳が…」




「大丈夫。汐里ちゃんは部屋に戻ってて」





吉原さんは中に入って行く。





別の看護士さんがやってきて、拒むわたしを無理やり部屋に連れて帰った。





「桃佳…大丈夫だよね?」




きっと、ちょっとした発作だよね?




……でも、あんなにくるしそうだった。