「助けてください……桃佳が…桃佳が苦しそうにしてて…」





すぐに医師と看護士がやってきた。





「ストレッチャー!早く!」





看護士のひとりが「岩本さんは外に出ていて」とわたしの肩を押した。





「でも…」




「大丈夫だから」





外で待っていると、ストレッチャーが桃佳を乗せて出てきた。





「桃佳!」





急ぎ足で進むストレッチャーについていく。





桃佳の手を握って走る。





「汐里、ちゃん…」





「桃佳!」






「だい…じょうぶ。大丈夫だよ…」







苦しげな顔に微笑みがともる。





桃佳が握った手をぎゅっと握り返した。