退院を5日後に控えた晩、何かが割れる音で目が覚めた。 時計を見ると午前3時。 「桃佳?今のって桃佳?」 そう言いながら桃佳のベッドに向かう。 桃佳のベッドを仕切るカーテンの中から、苦しげな声が聞こえた。 「桃佳!?」 走り寄ってカーテンを開けると、桃佳が身体をふたつに折って、胸を押さえて苦しんでいた。 床に割れたマグカップが散乱している。 「どうしたの!?桃佳!」 わたしはあわててナースコールを押した。