「ちゃんと伝えたら?真剣に『好き』って」
「……うん」
「わたしは汐里ちゃんのこと、絶対に忘れないよ。っていうか、会えるし」
そうだよね……。桃佳は退院していくいろんな人に忘れられていったんだ。つらいよね。
「わたし、ちゃんと伝える。桃佳、ありがとね」
「汐里ちゃん、頑張れ」
吉原さんの夜勤の晩、いつものようにナースステーションに行く。
「吉原さん」
ナースステーションの窓から中を覗き込んで吉原さんを呼ぶ。
吉原さんとは中庭で別れたきりだったから、ちょっと緊張していた。
でも、吉原さんはいつものように笑顔で近づいてきてくれた。

