桃佳のお見舞いに来て、吉原さんと会えたとしても、それはもう、終わりを迎えた恋人同士と同じようなものだ。
看護士と患者という関係が解消されてしまえば、吉原さんにとってわたしは過去になる。
あれほど『患者だから』優しくされているのが嫌だったのに、今はその関係にすがりついている。
でも、これだけは言える。
『看護士』としての優しさに惹かれたわけじゃない。
わたしは、吉原さん自身のもつ『優しさ』に恋をしたんだ。
つらいときにはいつもそばにいてくれた。
抱きしめてくれた。
『わたしの居場所』を作ってくれた。
もうどこにもないと思っていたのに。

