ねえ、吉原さん。わたしちゃんとできたよ。 ちゃんとふたりを許せたよ。 少しは大人になれたかな。 もっと、もっと大人になりたい。 吉原さんにつりあうような。 ……なんて、いくら大人になったって、わたしはただの患者。 いつかここから去って、吉原さんはわたしの思い出になって、吉原さんはわたしのことなんて忘れちゃって……。 寂しい。 吉原さん、今会いたいよ……。 「汐里ちゃん?」 すると、大好きな声が後ろから聞こえた。 振り返らなくてもわかる。 この声は……。 わたしは声のする方に走った。