翌日、意外な人がお見舞いに来た。





「綾乃…」





驚いて次の言葉が出なかった。





「会いたかったから家まで行ったんだけど、おばさんにここに入院してるって聞いて…」





あんなに憎んでいた綾乃を目の前にしても、今はこころは穏やかで、落ち着いていた。





「これ、お花。よかったら飾って」




「ありがとう」





綾乃は小さな向日葵の花束を渡してくれた。





「十二指腸潰瘍って聞いたけど、身体の方は大丈夫なの?」




「うん、治療っていうよりも療養しているだけだから」




「そうなんだ…よかった」