「吉原さーん、眠れないよー」





眠れないなんて嘘。





吉原さんが夜勤なのを知ってたから、ナースステーションにやってきた。





今は夜の12時。





院内は静まりかえっていて、廊下も薄暗く、ただ、ナースステーションから漏れる光だけが異常に明るい。





「汐里ちゃん」





他にも看護士さんがいたけれど、名指しで呼んだので、吉原さんがやってきた。





「眠れないの?」




「うん」




「お薬飲む?」




「いらない。話し相手になって」




「あのねー。仕事中デスヨ?」




「えー」






わたしはふくれっつらをする。