「汐里ちゃん、お母さんと仲直りできたの?」




「そうだね。昔からああいう人だから、わかりにくいんだけどね」




「よかったね」




「まあね。桃佳のお母さんは優しそうでうらやましいよ」




「そうかな」




「うん」




「お母さんがいなかったらわたし、ここまで生きて来れなかったなあ」




「お母さんが頑張って働いてるんだから、桃佳も頑張って病気と闘わないとね」




「うん」





桃佳が微笑む。





花が咲いたような可憐な微笑み。







わたしが男だったら惚れてしまいそうだ。