廊下に出ると、ちょうど、前に歩いてきた人とぶつかった。 顔面をその人の胸に思い切りぶつけ「いった」と顔をさすりながら、顔を確認すると、それは吉原さんだった。 「吉原さん」 「汐里ちゃん」 「さっきは無視しちゃってごめんなさいっ」 思いっきり頭を下げる。 するとその頭を吉原さんが左右の手で抱え込むようにして、上を向かせた。 「頭なんて下げなくっていーの」 「でも」 「よかった。嫌われちゃったのかなって思ったから」 「嫌ってなんかいない。大好きだよ」