ナースステーションをのぞく。






いた。






吉原さんが真剣な顔で申し送りを受けている。





かっこいいなあ。





昼間とは違って、いつも通りマスクをしている。






ナースステーションの窓の外に肘をついて彼を見つめる。






あ、終わった。






こっち向いて、いつも通り手を振ってくれるかな。





わたしの心は期待でいっぱいになる。





あれ?





隣りにいた女の看護士さんが、吉原さんの肩を軽く叩きながら、にこにこと微笑んでいる。






吉原さんも笑いながら、それに応じている。






中で何を話しているのかは聞こえない。