「汐里ちゃん、行こ」 「あ、うん」 桃佳の言葉で我に帰る。 「今日は花札やろう」 「花札?」 「やったことある?」 「あるよ」 「わーい、久しぶりだぁ」 はしゃぐ桃佳を見て、心が温かくなる。 不謹慎かもしれないけど、入院して本当によかった。 あれだけささくれだっていた心が、 まるでやすりに削られたようにまあるくなっている。