高揚した体は一刻も早く一輝に触れたいと言ってるみたい。堪らずバスタオル1枚で一輝が待つベットへと急ぐ。


こちらに背を向けベットに寝転んでる一輝の髪を指ですき、後ろから肩を叩く。が、あれ?なんの反応もない。変に思い一輝の顔を覗き込むと……


「うそ……寝てるし」


強引にホテルに誘っておいて寝るとは何事だ!って思ったけど、彼の気持ち良さそうな寝顔を見てたらなんだか不思議と心が和んでいく。


激務で疲れてたはずなのに、私の為に日本に帰って来てくれたんだものね。きっと、昨夜は殆ど寝てないんだろう。


「一輝、迎えに来てくれて有難うね」


彼を起こさぬよう小声でそう言うと、一輝の横に添い寝してソッと彼の背中を抱き締めた。微かに聞こえてくる寝息が心地よくて、この上ない幸せを感じ目を閉じる。


そして……これは夢だったのか?微睡む意識の中、3つの光が見え、私と一輝を優しく包み込んでいく。それはとても暖かくて、懐かしい感じがした。



―――それからどのくらいの時間が経ったんだろう……一輝の叫び声で飛び起きる。


「おい!ホタル、起きろ!今何時だ?」

「んっ……?えっと、5時……」

「はぁ?5時だと~?フライト時間は7時半だぞ!」

「えぇっ!マジ?」


どうやら私達はふたりして爆睡してしまった様で、慌てて服を着るとホテルの部屋を飛び出す。


「なんでホタルまで寝るんだ?お陰で俺の計画が台無しだ!」

「何よ!一輝が寝るからいけないんでしょ?人のせいにしないで!」