生きるべき人、


きっと私を安心させようとしたのでしょう

あんな姿で微笑まれても安心なんてできるわけもないのに

私は兄の手を握り笑顔をつくりました

すごく不格好になってしまっていたと思います

それでも笑顔を崩すことはできませんでした

兄は私の手をぎゅっと握りかえすと言いました

「独りにして、ごめんな」

兄は私以上に分かっていたのです

もう助からないと

「俺は恨んでなんかいない、後悔なんかしていない」