生きるべき人、


「私と昌哉さんを繋いでくれたのがあなたなんです」

私は繋いでなんかいません

「本当は私があなたに謝らなければいけないんです、私を庇って亡くなってしまったんですから」

『兄は大切な人を守った、それだけです』

この女性は兄の大切な人なのだから

「君のことだって同じだ。大事な君を守り生きてきた。それが彼の人生だった」

「彼はきっと幸せだったよ」

どうしてこんなに優しいのでしょうか

「おいで、泣きたいだけ泣いていいんだよ」

そう両手を広げる若い男性は

本当に兄の笑顔と被って

その優しい腕の中で泣きました

「君はずっと我慢してきたんだね、もう泣いてもいいんだよ、大丈夫なんて言わなくていいんだよ」