生きるべき人、


『私は兄を守ることができませんでした、ただの一度も』

いつもいつも兄が背負い

いつもいつも私は笑うだけで

『どうして兄が死ななければならなかったのでしょうか、どうして私じゃなくて兄がいなくなってしまったのでしょうか』

私はどうなってもよかったのに

兄を一度でも守ることができたなら

私は、死んでしまったってよかったんです

『どうして生きるべき兄が死んで、私が生きているのでしょうか』

「っ」

社長が顔を歪めて息をのむと

後ろにいる若い女性が泣き崩れてしまいました