生きるべき人、


そこで黙りこむ私に社長は言いました

「..そうでしたか」

ただ、それだけ

ただ、それだけの言葉にホッとしました

思い出すと辛くて、苦しくて、悲しくて

泣きたくなってしまうからです

『生きるべき人が死んでしまうのはどうしてでしょうか』

「生きるべき人、ですか」

『兄はとても強い人でした、頑張って、頑張って』

私に弱さを見せなかっただけかもしれません

本当は兄だって泣きたかったのかもしれません

それを私に見せない兄は強い人でした