「だって…
僕は、ホモ…だ、から。」

「はぁ?そんなのとっくの昔に知ってるよ。

なんだよ興味本位って。

なんだよ誰でもいいって。

弄んでるなんて誰が言った?
勝手に自己完結してんじゃねぇ!!」

佐田君の言葉が、僕の背中に突き刺さる。
僕は後ろを向いたまま、佐田君に言った。

「そんなに怒らないでよ…!!

僕だって、必死なんだから…!!

佐田君は僕といたら駄目なんだ!
僕といたら…佐田君がホモって思われちゃうし、佐田君の友達だって、佐田君から離れていくかもしれない。

佐田君の大切なものを、僕が壊してしまうかもしれない!

昔の僕は弱くて、なにもできなかった。

それは今も同じだけど、でも、だからこそ今度は…!

せめて、佐田君の大切なものを守りたかったんだ…。」

なんで僕が泣くんだ。
泣きたいのは佐田君の方なのに。

僕が泣いてどうするんだ。

「…なぁ、こっち向けよ。」

「………ッ、」

「向けって。」



向けないよ、こんな情けない顔なんて…見せられない。


「……はぁー…」


佐田君は深いため息をついた。

嫌われた_______