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「おはよー」

「おはー。
そーいえばさ、昨日の動画見た?」

「見た見た!
もうあそこでアレがでるかっつー笑」

「んな。
あれはうけたわ笑」

僕の横を、そんな会話をしながら2人組が通りすぎる。

僕にも友達がいたらあんなかんじなんだろうか。

まあ周りにホモのレッテルを貼られてる僕と友達になる人なんていないか。

自分までホモだと思われたくないし、僕に好きになられてもイヤだろうし。

ソレを承知で近づいてくる人もいるけど、そういう人は友達にはならない。

恋人、か。

体だけ、か。

そんな人でも、僕に話しかけてくれるなら。
そんな思いで、いつもくるもの拒まずだった。

でも愛が無いのは虚しすぎて、僕はその人を好きと思いこむようになった。

タツ君のことだって、本気で好きだ。
と、思いこんでいただけかもしれない。

自分でもよくわからない。



きっと僕は、いつぞやになにかを失ってしまったんだろう。



「おっはよーっす!!」

「わあっ!」

突然、背後から飛びかかられた。

「なっ…佐田君!?」

「よっ」

いや…よっ、じゃないよ!
なんで…僕に話しかけるの?

佐田君は僕じゃなくても、体を重ねる人なんていくらだって…


ズキッ


…ん?
なんだ、いまのズキって。