チャイムの鐘がなると、鞄を持ち急いで校門に向かった。 校門にはあたりまえだけど先輩の姿はない。 先輩は部活が少しだけあるって言っていたから、遅くなるんだろうけど……待ち遠しい。 チャラリラリ~♪ 着信音が鳴った。 機械じみた音をする着信音、私はお気に入りだけど周りにはいつも馬鹿にされる。 「もしもし。」 「久しぶり、由梨元気にしてた?」 「陽くん‼久しぶり。」 電話に出たのは中学から友達の陽くんだった。 一つ年上で、私にとってのお兄さんのような存在。 そして私の命の恩人。