「莉桜……」 「ん……」 「俺と、付き合ってください」 そっと腕の力を緩めて、私の顔を遠慮がちに覗きこんできた冬真。 風にさらさらと揺れる冬真の黒髪が額にあたって、少しくすぐったい。 私は胸いっぱいに広がる喜びを噛み締めながら、 「はい……っ」 って何度も頷いた。 そしたら冬真は目尻を下げて本当に嬉しそうに笑ってくれて。 土曜日の夏の空の下。 幼なじみからひとつ壁を乗り越えたふたりは、目をあわせて微笑みあって、何度もぎゅーっときつく抱きしめあった。