それから10分ほど経った頃。
公園の向こう側から、足早にこっちに向かってくる黒髪の青年。
ドキドキと、私の胸が甘く疼く。
「莉桜……っ」
「冬真……」
急いできてくれたのだろうか。
冬真の額には汗がにじんでいて、私はそっとベンチから立ち上がる。
冬真になんて言ったらいいんだろう。
湊人のときよりも何倍も緊張して、上手く言葉が出てこない。
だから私は思いのままに、冬真をぎゅっと抱きしめた。
「莉桜……?」
「そのままで聞いて、冬真……」
昨日とは逆で、今度は私が冬真を抱きしめたまま話す。
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