『―――であるから―――、―――となる。』


面白さの欠片も無い授業。
今は、数学。
まじうざってー。

『じゃあ3を、―――柳川。』


「あっ……はいっ!」


柳川。
密編みに眼鏡。
ちょっとドジっ子だ。


「―――かな?」


その声は綺麗なんだよな。
心が洗われるみてーな。
だから名前を覚えている。


「じゃあ、次を……蝶蛾。」


「へーへー……こーだろ」


「おい、違うぞ……」


「はぁっ!?んだよ!」