「葵~起きなさいよ。遅刻するわよ~」


「う…ん。待ってもうちょっと…」


「待ってじゃないわよ。淳ちゃんが向かいに来てるわよ!」


「えっ淳?淳…淳…あっ!!!」


やっば昨日淳ちゃ…じゃなかった淳と話せたから浮かれすぎて夜ずっと眠れなかったんだ。


しかもまさかの向かいに来てるパターン。


約束はしてないけど好きな人と登校するんだもん♪やっぱいつもより可愛くみせたいもん。


今日は髪の毛おろさずにポニテール。


得意な三つ編みで高い位置にさっとくくる。


崩れてない所あるか、ちゃんとくくれてるか確認、よーっし、これでおっけいと。


鏡の前で一旦深呼吸、そしてニコっと笑顔。


「葵早くしなさいよー」


お母さんの掛け声で急いで食卓に行くとほっかほかのパンとサラダとか私の好きなものが用意されていた。


「もうお母さんなんで早く起こしてくれないの?だったら食べてたのに泣」


「あんたが夜更かしなんてするからでしょ。早く行きなさい淳ちゃんが待ってるわよ」


「はーい。ほんじゃ行ってきまーす」


朝ご飯をしぶしぶ諦め私は急いで玄関を飛び出した。