ゆっくりと咲く
白い花
妖しく漂う笑みを浮かべて
風に香りを運ばせて
あまいあまい
死への誘惑


触れてはいけないモノに触れたくなるように
壊れそうなモノを
壊したくなるように
眼に入るのは
白い花


―‐あの花は あの蜜は
お前にとって毒なの に…


きのう 何処かで
誰かが云ってた
だけど
眼をそらせない
白い花から…


そっと花に降りたって
つややかな花びらに
やさしくキスを
あまいあまい
毒の蜜
二人だけの
ささやかな快楽
最期にみたのは、淡い空と勝ち誇った微笑―‐


侵す者と
侵される者


『毒ニ侵サレアマクナリタイ。』