真昼に見つけた
アゲハ蝶
羽根の砕けた
アゲハ蝶
夜色の羽根に瑠璃色のすじ
君は今 何を視てるの?


瞼に焼き付く
アゲハ蝶
誘うは今夜 ユメウツツ
闇を後ろに真昼の蝶は
砕けた羽根を持ち上げてひとつ ふたつと
瑠璃色の泪


―‐何処へ逝くの?


―‐わからない。


ひらり ひらりと夜色の羽根
紫の火の粉が舞う中を
ただただ 進む
焼けると知って


―‐痛くはないの?


―‐痛くはない。お前も来るか?


闇を後ろに引っぱって
ひとつ ふたつと瑠璃色の泪
覚まさないで
胡蝶の夢から


消え失せる僕


夢幻の彼方