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「澪ちゃん


見たらダメだからね」





悠雅が、震える興の前に立ったとき



私の視界に入る景色は海の手によって優しく遮断される












身体のあちこちの痛みと肩の激痛に耐えながら音だけ聞いている








……




5分くらいかしら


興の呻き声も聞こえなくなり始めた頃
















ゴリッ



バキバキバキッッッ












完璧に骨が折れた音が響き渡った






皆が唾を飲み込む音が聞こえる






海の手がフワリと離れ、光が目に入りこんでくる





1番最初に目に映ったのは愛しい貴方の顔




涙で視界がぼやけている中










「……遅くなって悪かった


もう安心しろ…澪」