淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~






物陰から現れた岡 修司は倒れた4人の男達を見て






「あーあ、だから止めたのに」







なんてことを呟きながら私に近づいてくる








「岡さん、じゃなくて修司って呼んでくんね?」









「消えろ」










もう少しで岡さんの手が私の頬に触れそうな時に悠雅が割って入ってくれた










「相変わらず溺愛してるね」










クスクスと笑う岡さんに以前のような怖さは残っていなかった










「中村」







「はいっ」









中村と呼ばれたのはさっきまで悠雅に詰め寄られていた、唯一意識が残っている男









「俺さ、天童組と関わりが無くなったとは言ったけど見捨てられたなんて言ってないよな?」








「は…はい」








「それに俺は碓氷組若頭に倒されたとも言ってない

碓氷組若頭が率いる黒澪に交戦で負けたとは言ったけどな?

第一、俺がタイマンで殺り合って負けたのは琥珀 奏っつー奴だ。」








「…すみません」








「あんだけ俺が止めといて、しかもたった5人で碓氷 悠雅に挑むなんてバカお前らだけだぜ?」









「…あまりに若かったんで余裕で倒せる気がして…」










「まだ言うか…

年で強さが決まるんだったらとうの昔に俺が碓氷を殺してるに決まってるだろ」











……なんて物騒な









「そうですね…

すいません」








そこ…同意しないでよ…








「悪かったな、せっかくの休日を邪魔して」








私達に向き直った岡と中村という男








「次は手加減しねぇーからな」









「それは勘弁」









……あれで手加減してたんだ…








そんな私の考えと、中村との考えは同じだったようで










「俺はもう2度とお前に会わねぇーようにする」









そう呟いていたのが面白かった









………









「すっかり遅くなったね」







車を出てから1時間半くらい経っていた








残してきた2人の子供が心配だったけれど









「寝すぎだろ…」









車に戻っても、出る前と変わらぬ体勢で寝ていた悠奈と真緒を見て笑みが零れた










「少し飛ばせば間に合うか…」






「何に?」








「着いたら分かる」








また……







「すぐに?」





「あぁ、すぐわかる」





「…ん」







何度だって待つよ






だってさっきも





『許してもらう』って言うのが、


『私との結婚の報告が遅れたことをお母さんに許してもらう』事だってすぐに分かったから












「……」




「……」






助手席に座っていないからか、あまり会話をしない私達








それでも、悠雅がいる空間はどこでも落ち着く








窓の外を眺めて数分







隣から聞こえてくる2人の寝息につられ、私も夢の世界へと旅立ってしまった