ふと悠雅の方に視線を向けると、向こうも私の方をじっと見つめていたらしく








「っ!」







バッチリ目が合ってしまった










「ごめんね…悠雅」






「……?」







何が?というように少し首を傾ける




その仕草は普段の威圧感を全く感じさせず、不覚にも可愛いと思ってしまった









「…妊娠したことも悠雅から聞いたし、子供の名前だって…

あっ、興味がないとかそんなんじゃ無いからっ」







「…分かってる」








「…うん。
あのね、産まれてからじっくり考えてもいいと思うの。

私ひとりで決めるより皆の意見も聞きたいし」








それこそ白さんとか…蓮夜さんの話も聞きたいな…








私の両親はいないから








「澪、焦るなよ。」








後頭部に腕を回し、自分の胸に私の顔を預けさせてくれる悠雅はやっぱり私の気持ちなんてお見通しの様








「お前がちゃんと“母親”になればいいだろ」









その言葉は理解するのに時間がかかったけど








なによりも温かかった









「…俺も永遠に付き合うから」







悠雅




ゆうくん











『澪ちゃん』





あの時私に出会ってくれてありがとう







そして1度別々の道を歩いたとしても









『……遅くなった』








また私と出会ってくれてありがとう









『……遅くなって悪かった


もう安心しろ…澪』









どこにいても助けに来てくれてありがとう









『愛してる』








闇の中にいた私を愛してくれてありがとう












「名前決まったら僕達に教えてね?」




「“海”と“相楽”と“蒼”にしようかしら」




「え!?みっちゃん3人も産むのか!?」




……突っ込むところそこかしら…





冗談で言ったのに相楽には通じないし






「澪、それだけはやめろ…」






悠雅は本気で嫌そうに顔をしかめちゃったから






「ふふっ」






気づくと笑っていた










それにつられ穏やかになる悠雅の顔








いつものようにニコニコ笑う海







呆れたように笑う相楽







静かに微笑む蒼











そこはどこよりも温かい空間になっていた