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「………ん」




「…起きたか」








薄く開いた目には、次々と通り過ぎる街頭の光が車の窓から入ってくる








「……悠雅…なんでタクシー?」






そう



私達が乗っているのは、黒澪の車でもなければ悠雅の車でもない








「……お前


今何時だと思ってるんだ」






「へ?」





10時とか11時じゃあないの?





あれ、でも私達が飲んでいる時2時くらいだったような…









「………うそっ」




「…やっと気付いたか」






膝に頭を預けている私の肩を抱いた悠雅の腕




その腕についていたのは…





「これすごく高い時計じゃない」




「………」







なぜか冷たい目で見下ろされる






「……澪、お前は今何を確認したかったんだ」




「あ…」






キラキラ光る時計に目を奪われて、その時計の針が指し示す時刻を見る目的が忘れられていた…






「……3……10

3時50分!?」






…もちろん昼ではない