「親父…」
きつく巻き付いていた悠雅の腕は解かれ、真剣な声が響く
それだけで空気が一変した
「ああ」
お父さんは悠雅の言いたいことが分かったのか、真剣な顔で頷く
「……?」
そんな張り詰めた空気の中、お母さんだけはニコニコとしていた
「澪、少し席を外す」
そう言って席を立った悠雅は、私の頭を一撫でしお父さんと話しながら店のどこかへと消えていった
「………あの」
「ん?どぉしたの?澪ちゃん」
ワインを飲みながら私を穴があくほど見つめるお母さんに遠慮がちに声をかける
「あの…悠雅は何をしに行ったんでしょうか?」
「ふふっ…」
あの…お母さん
ニヤけてるだけでは私は理解できません…
「…仕事…でしょうか?」
もしかしたら緊急の仕事でもはいったのかもしれない
もしそうなら悠雅はご両親と組に帰ってしまう
なら私は蒼に迎えに来てもらう?
それとも1人でタクシーか電車かしら
「はーーい、澪ちゃん妄想ストーーップ!!」
「……へ?」
1人で勝手にこの先を想像して勝手に悩んでた私を楽しそうな声が現実に引き戻す
「澪ちゃんってほんとに可愛いぃわぁ〜♡何考えてるのかすぐ分かるし…もう!とにかく可愛いぃー!」
「はぁ」
目の前でキャピキャピとはしゃぐお母さんを見て
貴方の方がよっぽど可愛いですけど
と心の中で突っ込む

