フワッとよく知った香りが私を包み、さっきまでの恐怖心が嘘のように安心する
やっぱり
悠雅じゃないとだめなんだね…
「お…おい!テメェなんだよ!?
いきなり入ってきて俺のとか、意味わかんねぇ
馬鹿なんじゃねぇーの?ギャハハハッ」
悠雅のことを知らないであろうこの男は、それをいい事に好き放題言っている
居心地が悪くてチラッと悠雅を見上げると、いつかの時のように力強い目で
『安心しろ』
そう言っているように見下ろされた
「あ…あの…お客様、なんの騒ぎでしょうか…」
チャラいヤンキーと社長のような中年男性
それに加えて人並みじゃないオーラの悠雅
そんな中に声をかけるのはよほど勇気がいるのか、店員さんの声は震えている
「悪い。直ぐに済ませる」
そう優しく答えた悠雅に
「は…はい!////」
頬を染めて戻っていった女性店員
そんな状況じゃないのは分かってるけど私は少しだけモヤッとしてしまった
「……ふっ」
上から微かな笑い声が聞こえ、
「……なによ」
と反抗すると
「…いや…
俺の女は直ぐに表情に出ると思って…」
「…っ!!////」
笑いを堪えながらサラッと恥ずかしいことを見抜かれてしまった
そんな空気のせいですっかり忘れていた目の前の男
中年男性のほうは
「いやぁ、残念だなぁ
若い子2人に囲まれちゃ勝ち目ないなぁ
ってことで僕は退散するよぉ
じゃあまたね!お嬢ちゃん」
と冷や汗か分からないものを拭きながらそそくさと逃げていった

