「あッ・・あのぉ・・・」
アタシは恐る恐る聞いてみた。
怖い人がちらっとこっちを見た。
「も、もしかして・・南星学園の生徒さんですかぁ・・?」
「・・そーだけど。っていうかお前もだろ。」
ひぇ!
やっぱり怖い!
しゃべり方が怖い!
視線が怖い!
「は、はぃ!そ、そうですッ!」
「・・お前俺のこと知らねーの?」
怖い人はすごく驚いた顔をしてそう言った。
「知らないって・・初対面ですし・・」
怖い人は口をあんぐり。
な、なんで・・?
そこまで驚かなくても・・・
「俺は南條紫苑、聞いたことねぇの?」
南條・・紫苑・・?
「あーッ!!!も、もしかしてあの超金持ちの方!?」
「・・はぁ?お前今頃気づいたのか?」
アタシはゆっくりうなずいた。
「常識知らずもほどほどにしろよな。」
そう言って紫苑っていう人はアタシをにらんで窓の外を見た。
