『それにさー、千歳くんってちっこいとこが瑠璃(ルリ)に似てるでしょ?
瑠璃の方が可愛いけど。百億倍可愛いけど。』



「黙れブラコンショタコンロリコン」


『ブラコンは合ってるけど、瑠璃はショタでもロリでもないよ!?高校生だよ!?男の子だよ!?』



瑠璃っつーのは、緋色の双子の弟。

すっげーちっこい。そして可愛い。

緋色は168㎝あるのに対して、瑠璃は148㎝。

顔も全然似てない。

双子って全部が全部似るもんじゃないってことをはじめて知ったよ。


緋色は瑠璃大好きだし、瑠璃も緋色が大好き。


緋色と幼なじみな俺は、必然的にも瑠璃と幼なじみなわけで、
俺ともう一人の幼なじみ……紬(ツムギ)っていうんだが、そいつと見守ってきた。

……まあ、紬は瑠璃の世話係で、ぶっちゃけ瑠璃は紬に一番引っ付いてるし甘えてる。


緋色はそれ見て泣いてたっけ。「瑠璃ぃー!!!!!!お兄ちゃんよりつむを選ぶのかッ!!」って。


懐かしい記憶を思い出していると、緋色から、もしもし?と怪訝そうな声をいただいた。




「で?なに?なにしたら千歳返してくれんの?」


『瑠璃と紬を連れて"裏通り"のあのビル四階まできて』



……はあ?



「……え、そこに瑠璃たちいんじゃねぇか」


『つ、れ、て、き、て、!』


「……はい」




しゃーない、行くか。