小波渡 蓮side
単刀直入に言わせてもらうが、
千歳がいなくなったのには、心当たりがある。
……ありすぎる。
100%あいつだ。絶対あいつだ。
外にでて、誰もいないのを確認すると、携帯にについている盗聴器を外して壊す。
この盗聴器を着けた人間と千歳を誘拐した人間は、同一人物だ。
そして俺の友人兼幼なじみでもある。
スマホを起動させて、『お団子』に通話させる。
ワンコールで出た。
『さっすが蓮、盗聴器壊されちった☆』
殴りたいのは俺だけだろうか。
「ふざけんなよお前。千歳誘拐したのお前だろ?」
『ぴーんぽーん!大当たりぃ!』
「うぜぇ」
『酷い!』
「おい、緋色(ヒイロ)。まだ待てっつったよな?」
『……』
黙るな!
『だって、蓮が最近会ってくれないんだもーん』
「だもーんじゃねぇよ。この前会っただろが」
『小波渡 蓮として会いたいのー!』
うぜぇ!
「で?なに?千歳を誘拐すれば、俺と会えるかと思った?
……それとも成長した"玻名城 千歳"に会いたかった?」
『8:2の割合かな』
「なにそのキモい割合」
『失礼なっ!』
お前がな。



