「…はあ?夜遊びでもしてるんじゃないのぉ?」



葵は眉間に眉を寄せ、怪訝そうな顔をしている。



「……朝から、うるさい」



どうでもいい、と言いたげに静は欠伸する。



ちなみに、仁と唄也はまだ寝ている。




顔を真っ青にして、目は焦点にあっていない。


焦りに焦っている基樹の肩を、ポン、と叩いた人がいた。



「基樹、千歳に電話したか?」



この間Aliceに入った蓮だ。




「あ、まだだった!」


「じゃあ、電話して。」



千歳に電話する。



『ただいま、電話にでることができません。電源を切ってあるか―――』



「だめだ、繋がんない……」



じわり、と基樹の目に涙が浮かぶ。




「基樹、いつもの冷静さをかいちゃだめだ。少し、落ち着け。」



頬を手で挟まれた基樹は、うん……と呟くようにいう。



「とりあえず、基樹は仁と唄也を起こして、知ってることはないか聞いてこい。
俺はここら辺を探してくるから。」



「うん!」




基樹と蓮はそれぞれ動きだした。




蓮は基樹が出ていったのを確認すると、葵と静を見る。



「葵さん、静。」


「なぁに?蓮ちゃん」



「ちょっと俺、いってくるから、基樹を頼みますよ。」




そういうと、外へ出ていった。