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ザァァァァァァァァッ



雨が容赦なくそこにいる青年に打ち付く。



青年、よりは少年かもしれない。


ミルキー色のさらさらな長い髪をお団子にして、毛先は肩へ垂らしている。


右側は編み込まれている。



うっすら笑みを浮かべ、ただただ立っている。



彼が着ていたカーディガンは水を吸い込み、色が暗くなっている。




「……Alice。」




ぽつり、と呟き、笑みが増す。




「Weiss drache(ヴァイス ドラッヘ)、Silbern wolf(ズィルバーン ヴォルフ)。

白い龍と銀の狼。そして、Alice。」




端麗な顔を歪めて、微笑む。




「楽しみだなぁ。」




「…おい、帰るぞ。」




どこからともなく現れた白い狐のお面をした青年にその少年は微笑む。



「楽しみだね、御狐様(オキツネサマ)。」



「そうだな。」





二人は闇の中に消えていった。