「蓮って、ドコの高校?」



「あ、的場(マトバ)です。」



「蓮くん、私立的場高校なの?頭いいんだね」



へぇ、と感心していってくる基樹さんに、いえ、と答える。


私立的場高等学校。


偏差値の高い高校。


だが、あそこは何もかもがお堅すぎる。


規律から服装まで、何もかもがキッチリしてる。




「……あ、でも俺、そこやめるんです。」


「やめるのかにゃ?」


「はい。ご存じだと思いますが、両親はもういなくて、世話を見てもらっていた叔父は海外赴任することになりまして、

寮制のある学校、知りませんか?」




丁度いいと思った。


あそこの学校は、成績優秀者には授業料もろもろを免除してくれる。

叔父さんには迷惑かけたくなかったからそうしたが、あそこはもう懲り懲りだ。


転校したい。




「寮はないけど、光陵(コウリョウ)は?」


「光陵……ですか?」



千歳さんにいわれ、聞き返す。


光陵……?どっかで聞いたような……。




「私立光藍綾西高等学校(しりつこうらんりょうせいこうとうがっこう)。
略して、光陵。
俺たちも通ってるんだよねー。寮はないけど、Aliceのhomeを家として使えばいいし、どう?」




私立光藍綾西高等学校。

通称、光陵。


頭よし、運動神経よし、の人があつまる高校。


ちなみに、男子校だ。




しかも、ここを寝床にすればいいって……?




「それは、Aliceに俺が入ること、が条件ですよね?」



「うん。そうだよ。さっきといい、今といい、本当君は鋭くて優秀だね。ますます気に入ったよ。」




答えたのは、葵さんだった。