「見つけたぜ!小波渡!オトシマエはきっちりとつけてもらわねぇとなァ!」
三、四人くらいが、ぞろぞろと入ってくる。
……こらこら。お店の人困ってるだろうが。
「チッ。めんどくせぇ野郎だな。」
ギロリ、と睨みながら呟く小波渡蓮に、仁が問いかける。
「君、なにしたん?」
「あー。あいつらの大将が喧嘩売ってきたので、ぶっとばしたら、敵討ちだー!とかいって追いかけてきたんすよ。」
……なにこの人。超可哀想。
パンッと突然、乾いた音がする。
辺りはシーンと静まりかえる。
仁が手を叩いた音だった。
「不良モドキくん等。静かにしてくんなぁい?ここ、公共の場なんだよねぇ?
迷惑かかってんの。わかるぅー?」
あ、筋肉ダルマには分かんなかった?と、ニヤニヤしながら挑発する仁。
パチリ、と目が合う。
先に行ってろ、と目で語るので、こくり、と頷くと、小波渡の腕を引っ張って走り始める。
「仁、"home"で!」
仁は、笑いながら、不良モドキの方へ走っていく。
吹き飛ばされた不良モドキ1に周りが呆然としている間に、俺と小波渡は逃げる。
追いかけてこようとした不良モドキたちの前に、仁が立ちはだかる。
「俺が相手だよ?」
桐谷 唄也side end



