「……早く着替える。」
「せやな。」
着終わると、じろっと俺は仁をみた。
眼帯はばっちり右目を隠している。
すると、ブーブーと誰かの携帯がなった。
「あれ、千歳の携帯やないの?」
「は?……ああ、ほんとーだ。……えぇ、誰ぇー?」
俺は自分の携帯に写る、電話番号に驚愕した。
そして、急いで通話をおす。
仁が怪訝そうに見てたけど、関係ない。
「…あ、ずまさ、ん……?」
『千歳?久しぶり。』
涙が、ホロリと頬を伝った。
あずまさんこと、相楽 吾妻(サガラ アズマ)は、今は亡き父の唯一無二の親友で、俺が幼少期お世話になった人だった。
俺の過去については、あまりここでは詳しくは語れないが、いつかは語るつもりだ。
Aliceには、過去ありな人が集まっているから、多分、またどこかで語ると、おも、う。多分。
まあ、簡単にいうと、俺の両親はヤクザで、俺たちを産んだ。
母は産んで死んじゃったけど、まあ、そこはおいといて、
俺は四歳の誕生日に、俺だけ誘拐された。
まあ、それで離ればなれになってしまったわけだが、
(キャラを作ってるのもそのせい。素はこっち。)父たちは俺を探してくれていたらしい。
Aliceに入って、色々情報を手にいれて、父と吾妻さんの電話番号は覚えてたけど、そんなことがここで役にたつなんて……。
『千歳、今は時間がないから、単刀直入に言わせてもらうけど、
玻名城 右京と左京が、近々Aliceに接触するよ。
――Aliceに入る為に。』
……え、?