no side
ひっそりとした路地裏は、まだ昼なのに、薄暗くて気味悪い。
だから、こういう場所は、不良の鬱憤(うっぷん)ばらしの場所になるのだ。
しかし、この場所にはそれはない。
なぜなら、ここは、この先は、
"Weiss"の溜まり場だからだ。
その情報は確実ではないが、信憑性は高い。
なぜなら、ここにWeissのメンバーだと思われる人が出入りしてるのを、多数目撃されていたからだ。
この先にあるのは黒いドア。
そのドアには"bar COLORS"(バー カラーズ)とかかれており、店であることが伺える。
マイナーではあるが、知る人ぞ知る、隠れスポットなのだ。
"COLORS"のマスターには、色んな噂がある。
ヤのつく自由業(つまり、ヤクザ)だとか、
ここら辺一体を締めていた族の元総長だとか、
とんでもない美形だとか、
殺し屋だとか……。
ちなみに、最後の意外はすべて事実だ。
大分話が脱線したが、まあつまり、あまり人が寄り付かないということだけ承知しといて頂きたい。
そんなここに、近付く、キャップを深くかぶった人。
彼は、barのドアを、戸惑う間もなく開いた。