「それ、脅しやん。……まあ、しゃーないからやったるよ、貸し一なぁー葵ちゃん。」
「君ってほんとー可愛げがないよねー」
「だから俺を潜入にしたんやろ？」
俺の言葉に、一瞬驚いた顔をした葵ちゃんだけど、すぐにふふっと笑って、
「まあね♪」
いたずらっ子の顔になった。
……さー俺はこれから潜入やー。
「あ、仁。元気ないね。」
「もっちゃん。と、うたちゃん。」
はあ、と溜め息をついたら話しかけられたからびっくりした。
けど、それがもっちゃんとうたちゃんと分かったら、ホッとする。
……この二人は癒し系やからなぁー。
「俺、潜入なんよ。これから。」
苦笑いしていう俺に二人は、あー、という顔をする。
「……ま、多分今年中には龍欄を抜けられると思うけど。」
「唄也……それはいつもの"勘"？」
「……ああ。」
うたちゃんの勘ねぇ……。
まあた、厄介なもんやねぇー。
うたちゃんの勘はよく当たるから。
ま、抜けられることは嬉しいんやけどね？
