「いや…あたしじゃないでしょ。」


現実逃避するかのように否定した。


「もう…素直になりなさいよ……好きなんでしょ?颯斗くんのこと。」


「す、好きじゃないよ!
だって…あたし、あたし芸能人嫌いだもの。」


「莉奈…じゃあどうして泣いてるの…?」


「やだ…違う、泣いてなんかない…よ…」


そう言って頬を触ってみると…濡れてた。


「莉奈…もう出よう。」


栞のその一言で「すみません」と言いながら劇場から出た。