「もう逃げないでよ!莉奈…」


逃げてるだけだって、そんなの分かってる…

でも、……
怖いんだもん。

颯斗と付き合いたいよ?

でも、なぜか体がダメだって言って聞いてくれないの。


…そんなの言い訳だなんて、分かってるんだけどね。



「ごめんね、栞。じゃあ、また明日ね。」


無言のまま家に着いて、栞に笑顔で告げる。

栞は涙目で、とても悲しそうな顔をしながら手を振って帰って行った。


パパもママもお姉ちゃんもいない。

誰もいない家に「ただいまー。」と告げて、部屋に入りワンワン泣いた。

固く決意をしながら、いつの間にか眠りについていた。