「応援するに決まってるよね。」
「あんなに颯斗くんに愛されてる彼女さんが羨ましいよー。いいなー。」
「あたし達のことも愛してくれてるならいいもんねっ。」
イベント会場にいたファンの皆が、帰りながら話している言葉が聞こえてきた。
「莉奈、帰ろっか?」
「…うん。」
ファンの皆と一緒に来た栞に声を掛けられて、来た道を帰っていく。
嬉しかった……
颯斗の言葉、全てが嬉しかった。
“愛しています”
2人の時に言って欲しかったよ。
……そんなの言い訳。
どこで言われたって、誰の前で言われたって、あたしに向けて言っている言葉というのに変わりない。
ほんとに、嬉しかった。