栞に手をひかれるまま歩いていくと、ちょっとした広場みたいなところに、たくさんの人だかりが出来てる。 「あー、始まる10分前に来たあたしが馬鹿だった…」 「ねえ、栞」 「ん?」 栞にここまで連れてこられて、人だかりが出来てるとこまでに来る時にね… あたし見ちゃったの、 【神崎颯斗のバレンタインフェア♪ 】 という文字と共に、笑顔で写る王子様の顔をした颯斗のポスターを。 「どうして…っ」 『皆さんこんにちは〜!』