「単刀直入に話しますね。僕、長谷川さんと莉奈のことを水野さんから聞いてるんです。」

「…そうなんです、か。」


神崎颯斗くんが莉奈のことを呼び捨てで呼んでることに、少し違和感を感じた。


「はい。それで今、僕と莉奈は付き合ってます。莉奈はしっかりと前を向いて歩いてます。」

「………」


何にも言えなかった。

神崎くんは莉奈と付き合っていて、前を向いて歩いてる。

そう言っている神崎くんの目が真剣で、俺を少し睨むような感じであったから。


「莉奈に会うな、とは言いません。でも、例え世界的に有名なモデルさんだとしても、莉奈を泣かせたり辛い思いをさせるようであれば…もう二度とモデルの仕事なんかできない顔にしますから。」