「今、俺がどれだけ説明したって…どれだけ謝ったって…莉奈の痛みが消えるわけじゃない。それに、莉奈だってそれだけじゃ俺を許せないよな?」

「…仁、さっきから…何言ってるの?」


久しぶりに仁の名前を口にした。


「…こんなこと、今さら言ったって言い訳に聞こえるかもしれない。でも、それでも…莉奈にちゃんと聞いて欲しいと思って、また会いに来たんだ。聞いてくれるか?」


今、仁が何のことを言っていて、これから何を話そうとしてるのか全く分からない。

正直言って、聞くのは怖い…

でも、いつもカッコ良くてクールなくせに、話してみるとふざけたり気さくでいつも笑顔で。

勉強も出来れば運動も出来て、性格も良くて、何をしても完璧でカッコ良かった仁。

そんな仁が、泣きそうな顔をして、少し悲しそうな目をしている。

そんな仁の姿を見て、話を聞かないっていう方がおかしいと思う。


「うん…っ。聞くよ。」


どんな話だとしても、ちゃんと最後まで聞いて受け止めるから。