「うん。颯斗を不安にさせないように、あたしは笑顔でいるよ。」
「そっか。良かった!」
涙を拭いて、栞に笑顔を見せたら、栞も笑顔であたしを抱きしめてくれた。
「あたし、仁くんのこと…莉奈に伝えてよかったよね?」
「うん。よかったよ。栞、ありがとね。」
多分、栞はすごく不安だったんだと思う。
あたしが仁に振られた時とかに、ずっと隣であたしを見てきた人だから。
「…良かった。」
そう小さく栞が呟いた。
キーンコーンカーンコーン
3時限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「戻ろっか?」
「うん!戻ろうっ!」
笑顔で、さっきの涙は無かったのように栞と教室に戻った。