確かに、仁のこと大好きだった。

1年間ずーっと待ってた。

仁と過ごした1年間はとても大きなもので、仁を忘れるのにも時間が掛かった。


…でもね。

そんなに時間が掛かった想いだったのに、颯斗に出会ったらすぐに消えたの。

颯斗と過ごした時間よりも、仁と過ごした時間の方が多いのに。

颯斗の存在の方がどんどん大きくなっていったの。


「そうだよね。なら、莉奈はそれを忘れちゃダメだからね。きっと、颯斗くんも仁くんが来て…不安だろうから。」


颯斗はあたしと仁のことを知ってる。

そうだよね…

自分の彼女がずっと想ってた元彼が突然同じ学校に転入なんてしてきたんだもの。

あたしだったら、ものすごく不安になる。